お医者さんとの恋[短編]
今、喋れれば、不安な気持ちを言うけれど、咳酷くなっちゃうし、そんな体力は残ってなかったから、
自分の気持ちを伝えるために、優希先生の胸のあたりに頭をくっつける。
すると………
優希先生の白衣からは先生のイメージにピッタリな
優しい柔軟剤の香り。
めちゃくちゃ気分が悪いのに、
少し症状が和らいだような気がして、
体の力が抜けて。
気がつくと眠っていた。
そして
次に目が覚めた時は翌日の朝だった。
あれ…?
ここ、どこだっけ…
ベットの斜め前あたりに洗面台やテーブルがあって、
隣にはもう1つのベット。
そっか、私、入院させられたんだ。
明らかに自分の部屋でなくて混乱しながらも、
昨日の記憶をたどっていくと、なんとか思い出した。
点滴ルームみたいなところで点滴した後のことは、
かなり曖昧でこの病室に連れて来られたのは
記憶にないけど………