お医者さんとの恋[短編]
しばらくすると、診察室の扉が開いて白衣をきた、若い男の先生が私の方に歩いてくる。
「花音ちゃん、だよね。
先生といっしょに診察室に入ろう? 」
私に目線を合わせてニッコリと笑ってくれた。
…高校生なのに、自分で診察室にも行かれないなんて
恥ずかしいよ………
「は、はい…ごめんなさい 」
「大丈夫?病院怖いかな? 」
「はい… 」
こんなに声が震えているから、
怖くないなんて、嘘でも言えなかった。
「そうだよね。でも、先生花音ちゃんの辛いの治したいから、着いてきて 」
男の先生は私の手を握りながら歩きだす。
引っ張られて、そのまま歩くしかなかった。