お医者さんとの恋[短編]
「…っんーくっ ………」
苦しくて、苦しくて優希先生の手を掴む。
「花音ちゃん、少し我慢だよ。手膝の上に戻して 」
「んっ…やっ… 」
それでも、優希先生は止めてくれなくて、
私も言葉にならない声を出しながら、ものすごい抵抗してしまった。
「はい、終わったよ。
花音ちゃんたくさん頑張れて偉い 」
暴れてばっかりで、言うことも聞かないのに、私の涙を拭いながら、褒めてくれる優希先生。
「嫌なことばかりしているのに、
治療受けてくれてありがとう 」
優しさが心に染みて、
思わず優希先生の手を握ってしまう。
「先生、わがままばっか言っちゃうけど、
病気治して? 」
「もちろん、俺が絶対治すから。どんなに泣いても騒いでも、最後まで診るからね 」
「優希先生………ありがとう 」
「んふふ、どういたしまして
じゃあ、そろそろ隣の美友ちゃんの診察するから行くね 」
優希先生は私に手を振りながら、隣のベットにいった。