お医者さんとの恋[短編]
退院
「優希先生、…ありがとうございました…」
あれから、3日ほどたって、退院できることになった。
約1週間ほどの入院。
長いようで、短かったな…
「花音ちゃん、退院おめでとう。
下まで送って行くよ 」
荷物をまとめて、病室を出るとき、後ろから優希先生の優しい声がした。
見送られたら、余計悲しくなっちゃうよ…
それに退院が決まった朝の回診から、
優希先生がいないときにかなり泣いちゃって目が少し腫れているから変な顔あんまり見られたくない。
「先生忙しいでしょ?
私は小さい子じゃないし大丈夫だよ」
「大丈夫。俺は昼休みで何もやることないから。
花音ちゃんのこと見送りたいし 」
だからやんわりと断ったのに、
優希先生は私の歩く速度に合わせて、
隣を並んで歩く。