お医者さんとの恋[短編]
「退院、悲しいな… 」
エレベーターで1階まで降りて、
もうすぐ病院から出られるとき、そんな言葉がつい出てしまった。
「えっ…? なんで?」
「だって…グスッ 」
病院が大嫌いな私が退院が悲しいなんて、言うから
目を丸くして驚く優希先生…
でも、私はだんだん涙が出てきて、先生に抱きつく。
「優希先生と離れるのが寂しい。
私、先生のこと…好き だから 」
「……………」
数秒間、2人の間に無言の時間が流れる。
…その瞬間、やっぱり迷惑だったよねと、後悔する。
なのに、強く私を抱きしめてくれる優希先生。
なんで………?
私になんて告白されて困っているなら、
はっきり断ってよ。
優しい優希先生だから慰めてくれているのかもしれないけど、失恋の傷が深くなっちゃっよ…