お医者さんとの恋[短編]
「ごめん…今の忘れて… 」
顔がグチャグチャて誰にも見せられないくらいの顔がだけど
優希先生から顔を離して、腕から抜けようともがく。
それなのに、どんどん力強くなってくる優希先生の腕。
「優希先生………、なんで離してくれないの…?」
「なんでって、俺も花音ちゃんのことが好きだから忘れるなんて無理。
でも、花音ちゃんに告白されるとは
思ってなくて、びっくりして少し頭を整理している 」
疑問をぶつけてみると、夢みたいな答えが返ってきた。
「本当に私なんか好きなの? 」
「本当。でも、花音ちゃんに入院中嫌なことたくさんしたから、告白できなかった 」
優希先生は私の目を真剣に見てそう言ってくれた。
「そうなんだ…。じゃあ両想い? 」
「そうだよ。だから、花音、俺と付き合って下さい 」
「もちろん、お願いします 」
迷わす、そう答えて、
気がつくと、悲しい涙が嬉し涙に変わっていた。
end