お医者さんとの恋[短編]

「熱…下がらなくて、あと夜に…なると咳が止まらないです………」


呼吸音にもかき消されてしまいそうなほどの小さい声

なのに先生の耳には届いたみたいで、

笑顔のまま頷いてくれた。



「そっか、ありがとう。

じゃあ診察するからボタン開けて 」


「嫌です… 」


「だーめ。花音ちゃんが一人でできないなら、先生がボタン外すね 」


拒否すると、先生の手が伸びてきてボタンが一つ一つ器用に取られていってしまった。


「花音ちゃん、怖くないよ。
聴診器を胸に当てて音聴くだけだから 」


「あっ……… 」


露出された肌に迫ってくる聴診器を阻止しようとしたのに、男の人の力には全然叶わなくて、ピタッと当てられてしまった。





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