鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「お、美味しいか分かんないけど……」

テーブルの上に、お冷やとドリンクを並べる。慣れないことに、時間がかかってしまい、二人を待たせてしまった。

あたしとありさはアイスティー。
それっぽくレモンとミルクとシロップをつけた 。

瀬田には、いつも来ると頼むホットコーヒー。初めて煎れた。

ちゃんと出来てるか分からないけど……。
というか、初めてでちゃんと出来るわけがないんだ。

お母さんの見よう見まねでやってはみたけど、習得までに結構時間がかかるっていってたし……!

急に恥ずかしくなってしまった。

「あの、美味しくないはずだから、やっぱりお母さんに頼むからっ! ティはまだしも、コーヒーなんて初めてだったし、だからっ……!」

あたしがわたわたしたところで、二人は笑いながらドリンクを口にした。

「また美空の初めて、いただきだなっ」

「やだ、なんか変態っぽい。あ、美空、普通に美味しいわよ?」

あたしは優しい二人に、思わず目頭が熱くなった。

「よかったぁ、二人と同じ高校受かって!
また一緒にいようねっ! 」

あたしの言葉に、二人は顔を見合わせて笑った。

「当たり前でしょ、美空」

「俺は、いつまでも一緒だ」

二人にうんうん、と頷きながら、あたしは溢れた涙を拭った。

-END-
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