鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「やめてよねっ!
折角浴衣に合わせてセットしたのにっ!」

文句を言うも、はいはい、と流された。
なんなの、こいつ。

あたし、変なヤツに助けられたのかな? 助けてくれたことは感謝してるけど、なに考えてるかさっぱりわかんない。

「あー、お茶泡立ってるわ。もう落とすなよ?」

あたしのすぐ横に拾ったお茶を置き、彼は一つたこ焼きを頬張った。

「一息ついて、温かいうちにたこ焼き食べたら一緒に探してやるから。一人より安心だろ? 迷子の中学生さん」

「う、うんっ……。ありがとう……?」

「なんで疑問系でお礼言う?」

うん、変なヤツだけど悪いヤツではないらしい? とりあえずお礼を言ってみたところで、首を傾げられた。
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