鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
うー……。
こんな恥ずかしいこと、知らない人に伝えたくもないけど……。
これは言わなきゃ先に進まないやつだよね……。

「あ、あのねっ!」

あたしは意を決して、恥を忍んでその事を正直に彼に伝えた。
聞き終わった彼は哀れむように

「完っっ全に自業自得じゃん。おバカな迷子ちゃんだなぁ」

と、フッと笑った。

「あ、あたしだって悪かったって反省してるしっ……!
あ、あんまり意地悪言わないで?
本当に凹むから……」

自業自得だけど、はぐれたり絡まれたり、心細かった。

この人、変なヤツだけど優しいけど意地悪でもある……!

本当、わけわかんないっ!

「はは、言いすぎたか。ごめんごめん。
じゃ、ほら気を取り直して探そう」

彼はまたあたしの髪をくしゃくしゃにかき混ぜて、今度は優しく微笑んだ。
なんなの、本当……。
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