鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「くっ……! ははっ!」

え?
突然笑い出した彼の様子が気になって、そぉっと顔をあげた。

目の前の彼は、手の甲で口を軽く押さえながら、肩を震わせて笑っている。

「いやぁ、ごめんごめん。
面白いくってさ。ついっ……くくっ」

……なんか、失礼じゃない?!

こっちは頭下げて謝って、この放置が罰なら受け止めなきゃって、泣きそうになってたのに……!

「放っておいたらどうすんのかなって眺めてたらさ、じっとして動かなくなっちゃったからさ、まさか寝たのかな、なんて思ったら笑えてきちゃって……!

あっはは!」

「寝るわけないでしょ!」

「だよなぁ、謝罪途中に寝るとか普通、あり得ないよなぁっ?

……くっははっ!」

彼は口を押さえることすらやめて大笑いだ。
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