鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「わっ! 声まで可愛いねっ!
そうそう、さっきからキミのこと呼んでたんだよっ!」

「ね、名前なんての? いくつ?」

「やっべぇ、マジ可愛い!」

三人は賑やかに騒いでいる。
花火大会でテンション上がってるのかな?

うん、きっとそうだ。

じゃないと知らない人にいきなり話しかけたりしないもんね。

「あの……?
すみません、人を探してるんで、失礼します」

あたしは軽く頭を下げて、その場を去ろうとした。

お母さんとありさを探さなきゃいけないのに、テンション高めな知らない人と話している余裕なんてない。

花火の時間も迫ってきてるし、早く合流しなくちゃっ!

「待って!」

「このまま俺らと花火観ようよ!」

「えっ……?」

三人組の一人に腕を掴まれた。

な、なに……?
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