鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
転校生にそわそわ
学校近くの小さな公園のペンチに、時間つぷしに彼と暫く並んで座った。

特に何を話したとかでもなくて、昨夜の花火大会のときみたいに、ただ、一緒にぼんやりしてただけ。

昨日聞けなかった名前とか、なんで助けてくれたの? とか、聞きたいこと沢山あったし、折角再会したのに、だ。

あたしも充分変で、彼に「変なヤツ」なんて言えないかも、

なんて思いながら、チャイムの音に立ち上がった。

学校はすぐそこだから充分間に合う。
ゆっくり歩いても大丈夫なくらい余裕はあるけど……。

足が進まないなぁ。

「ほら行くぞ。二限目までサボるつもり?」

「違うけど、サボると言うか、遅刻なんて初めてで……。

先生にもお母さんにも怒られちゃうよね、やだなぁって」
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