鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
腕を掴んでいる男性は、一瞬きょとんとしたあと、楽しそうに笑い始めた。

「もしかして、何か勘違いしちゃっ
てる?
俺達キミから金巻き上げようとかしてないって! なぁ?」

「そうそう! 折角の花火大会なのに、男三人とか華がないからさ、キミが華になってくれないかなぁ、なんてねっ!」

「誰か探してるみたいだけど、はぐれちゃったんでしょ?
こんな広い会場で大勢の人で、みつからないって!
俺らと遊ぼうよ! あ、何か食べる?
買ってあげるよ」

三人組は口々に言いながら、グイグイとあたしを引っ張る。

「ち、ちょっと本当に無理ですからっ!」

「いーからいーから」

何にもよくないっ!
なんて強引なのっ?!

「……? 何してんの?」

たまりかねて大声を出そうとした時だった。
一人の男の子が、話しかけてきた。
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