鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「お前誰?
こいつは俺と放課後約束してんだけど」

「あんたこそ誰よっ?!
美空はわたしと約束してるのっ!
その手、離してくれないっ?」

「え、やだ。俺とこいつは手を繋ぐ仲なんだよ。な、美空~?」

「なんなのあんた、馴れ馴れしいわねっ!」

二人は廊下で言い合いを始めてしまった。
目立ってしまっていて、野次馬がどんどん集まって来ていた。

慌てたあたしは転校生に繋がれた方の手とは逆の手で、ありさを引っ張った。

通学バック、リュックにしといて良かったぁ、なんて思いながら二人の手を引っ張って無意識にたどり着いたのは、実家の喫茶店。

慌てた様子で駆け込んできたあたしと二人に、お母さんは最初きょとんとしていたけど、すぐに笑顔になって席に案内してくれたんだ。
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