鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
それで今に至るんだけど……。

二人は睨み合ったり、時にはあたしを責めたりを繰り返していて、もう訳が分からなかった。

三人が三人とも、あ、主に二人が、そんな風に感情をぶつけ合っている、みたいな?

あぁもう、どうしたら良いんだろ。

「はい、ありさちゃんはレモンティーね。貴方はホットコーヒー、美空はミルクティーで合ってたわよね」

ことりと控えめな音を立てながら、お母さんが次々にドリンクを並べてゆく。

お母さんの登場で場の空気が和らいだのを感じてほっと胸を撫で下ろした。

「あ、あとこれ、よかったらどうぞ」

サービスよ、とお母さんが置いていったのは、人数分のシュークリームだった。

こないだ「お店に出す新作スイーツ練習中」って言ってたから、これがその試作品なんだろうな。
可愛いシュークリームを目の前に、きっとこれも人気でるよっ! って、まだ食べてないけど 思ったりする。
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