鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
ドリンクとスイーツで少しは落ち着いた空気の中、ふぅっと一息ついて話し始めたのはありさだった。

「このままじゃ埒が明かないから、一つずつ聞くわね?

わたしは鈴木ありさ。美空の親友よ。

貴方は? 転校生、美空とどう言った関係? 親友のわたしが知らないなんてあり得ないのに、朝だって一緒だったでしょ? なんなの? 分からないのよ」

「一つずつ聞くって言った割には質問が一つじゃないじゃないか、鈴木ありさ」

フッと目を細めて笑った転校生に、ありさがイラッとしたのが分かった。

あたしはあわててありさの手を握った。

「昨夜、立花美空とは花火大会で出会った。転校してきた瀬田優斗だ」

「あ、えと、そうそう!
花火大会でねっ……!」

しどろもどろで言葉を探していると、ありさの眉間にシワが寄った。
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