鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「え……! じゃあ、花火大会で美空を見かけてつれ回してたってこと?!

わたしとおばさん、美空が心配で探しまわってたのにっ!

あんたのせいで美空が危ない目に合ってたのねっ!」

今にも立ち上がって彼に飛びかかりそうなありさを押さえる。

「ありさ、ダメっ! 違うのっ!
あたしが悪いのっ! 聞いてっ!

彼のせいで危ない目になんて合ってないっ!
むしろ逆っ!」

「美空……?
逆……?」

ふうっと息を吐いて、あたしはありさに話し始めた。

昨夜のこと、今朝のこと、何でここに三人でいるかってこと。

ゆっくり言葉を探しながら、どうにか伝えた。
ありさも転校生も、あたしのペースでぎこちなく進む話を黙って聞いてくれた。
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