鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「あぁはいはい、一方通行ねぇ……。
まぁ、それは俺的には解消されるんじゃないかなぁと期待してるわ。
美空が鈍いのはよく分かったから一筋縄ではいかなそうだけど。

それはそうとさ、さっきから鈴木も美空もさ~。俺のこと転校生転校生って、失礼だよな?

俺、名乗ったよな?
瀬田優斗。せたゆーと。」

コーヒーを一口飲んでカップを置いた転校せ……じゃなくて瀬田くんは、唇を尖らせた。

あたしは慌てて謝った。
変なヤツとか失礼なヤツとか散々言ってしまったけど、結局は恩人。
ずっと変な風に呼んじゃって悪かったなぁ。

「そ、そうだよね、ごめんね瀬田くん。あと、なんであたしの名前知ってるの? しかもなんで呼び捨て?」
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