鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「なにお前」

「何か用か?」

さっきまでわたしに向けていた笑顔とは全然違う嫌そうな表情で、男性達は男の子を睨み付けた。

「……。その子、俺の連れなんだけど。
離してやってくんない?」

え?
し、知らないけど……。

知らない男性三人と、知らない男の子に挟まれておどおどするあたし。

な、何か言わなくちゃっ!

「えっと、あたしっ……」
「探したんだぞ!
全くお前は! 急に居なくなったと思ったら、こんな奴らに絡まれて!」

男の子は言いながら、あたしを掴んでいる男性の腕をあっさり振り払った。

急に視界が黒一色になって、温もりに包まれた。

って、えっとこれは……?

も、もしかして、あ、あたし、だ、抱きしめられてるっ?!

「ってめっ!」

「その子は俺達と行くんだよ!
お前こそ離しやがれっ!」
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