鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
早歩きで去っていったありさの背中を見送って、店内へ戻った。

「遅かったな、美空」

「そう? ありさを見送ってたの」

何となくさっきまでの席に着いてしまったけど……。
瀬田くんと二人になってしまった。

えっと、どうしたら良いのかな? 同じ歳の男子とこんな風に二人きりになったこと、ないんだけど……。

「美空、困った顔してるんだけど、どした?」

え、ばれてる? な、なんで?

「あ、今は驚いてる!
わっかりやす~!」

ケラケラ笑う彼を、不思議に思う。

昨日会ったばかりで、なんでそんなにあたしの気持ちを読んじゃうのかなぁ?
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