鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
ありさが帰ってお泊まり会の支度をしている間に、あたしは自分の部屋を掃除して、夕食の支度をする予定。

時々するお泊まり会は、あたし達にとって楽しいイベントだ。
仕事を終えたお母さんも混ざって三人でお喋りしたりして。

いつも一人ぼっちか、たまにお母さんがいる夜の家に、ありさがいると嬉しくなる。

ふふっと笑みがこぼれた。

「あのっ! 立花さんっ!」

「ん?」

夕食のメニューを話し合いながら教室を出ようとしていたとき、声を掛けられて立ち止まった。

今日はよく呼び止められるなぁ……。
きゃあきゃあ言っていた女の子の一人だ。

「立花さんと瀬田くんって……! どんな関係なのっ?」

「え? 友達だけど?」

「友達、で、あそこまで仲良いの……?」

「えっと、初めて出来た男友達だから、あそこまで、が分かんないんだけど、友達だよ?」
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