鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
意外などきどき
金曜日の夕方。「お邪魔します」と、いつもより一回り大きめな鞄を手に家にやって来たありさを笑顔で招き入れて、お泊まり会は始まった。

休み時間や放課後の女子会も楽しいけど、やっぱりお泊まり会って特別。

あたし達二人は、お母さんに「もう寝なさい」と注意される夜遅くまでお喋りをして盛り上がった。それでもなかなか寝付けなくて、翌朝二人して寝坊して、瀬田との約束の時間ギリギリになってしまった。

夜更かしした、本来ならゆっくりなはずのお泊まり会の翌朝、休日。
ありさともそんな話ししてたのに。「ゆっくり起きて、ゆっくりしよー」みたいな。

いつものお泊まり会の定番の流れ。

なのに、8時試合開始なんて……!
朝御飯食べれなかった。

あたしとありさのいつもの定番な感じを打ち破っちゃった、イレギュラーな瀬田。

だけど、行くって言ってしまったからには約束は破れない。
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