鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
会場の案内掲示板を慌てて確認して、そこへ急いだ。着いた先が意外な場所で、あたしとありさは驚いた。

「意表つかれたわ……。
本気でサプライズだったわね」

「ねっ……」

緊張感漂う静かな会場に、袴姿の選手達。

彼らの目線の先には、的が設置されている。

「まさかの弓道……」

勝手なイメージだけど、瀬田と弓道が結び付かない。

運動してたとして、試合観に来てって言ったとして、サッカーとかバスケとか? なんとなくチーム戦の球技のイメージだった。

まさか会場間違えた? 厳かな雰囲気の会場の隅で、あたし達はこそこそ顔を寄せて話す。

「ねぇありさ。あたし達、急ぎすぎて来るとこ間違えたかな?」

「そうかも……。もう一度掲示板確認しに行く? 試合始まっちゃう時間だけど……」

と、相談しながらちらりと選手達に目を向けたときだった。

……。
見つけてしまったのだ、意外な人物を。
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