鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「瀬田くんは置いといて。
美空、帰りましょ? おばさんが待ってる」
「うんっ!」
言って立ち上がり、あたしはありさと歩きだした。
「待て待て、置いてこうとするな! 俺も行くって!」
あたし達の後ろを瀬田がついてくる。
お母さんは、あたし達の卒業式を見守った後、誰よりも早く学校を後にしていた。勿論、うちのお母さんが薄情ってわけじゃない。あたしの為に、いつもの喫茶店の営業時間を一時抜けたから早く戻らなきゃいけない上に、これから、いつも以上に来るであろうお客さんへの支度が必要だからだ。
お母さん曰く「この辺りで入学式や卒業式やらのイベントがあった時、式帰りの親子連れが来るから」らしい。
毎回、こんな感じ。
美空、帰りましょ? おばさんが待ってる」
「うんっ!」
言って立ち上がり、あたしはありさと歩きだした。
「待て待て、置いてこうとするな! 俺も行くって!」
あたし達の後ろを瀬田がついてくる。
お母さんは、あたし達の卒業式を見守った後、誰よりも早く学校を後にしていた。勿論、うちのお母さんが薄情ってわけじゃない。あたしの為に、いつもの喫茶店の営業時間を一時抜けたから早く戻らなきゃいけない上に、これから、いつも以上に来るであろうお客さんへの支度が必要だからだ。
お母さん曰く「この辺りで入学式や卒業式やらのイベントがあった時、式帰りの親子連れが来るから」らしい。
毎回、こんな感じ。