鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
後ろを気にしながらも、瀬田に手を引かれたまま、歩く。

「何か言いたそうだったけど、良かったのかな?」

「大丈夫。聞かなくても良さそうな内容だった」

「瀬田ってやっぱり妄想エスパー?」

「ぷっ! それかなり久々!」

そういやそんな称号だったなぁ、俺。とか言いながら、瀬田はケラケラ笑っている。

「で? いつまで手を繋いでるの? お二人さんは」

「いつまでも?」

ありさの言葉に、瀬田はしれっと返した。

「いつまでも、ねぇ……。美空はいつまでも美空って感じだし、瀬田くんもいつまでも瀬田くんって感じよね」

二人は全くぶれないわね……。ありさが片手で顔をおおった。
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