鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
三人でわいわい歩いていると、あっという間に喫茶店に着いた。

「お母さん、ただいま~」

「おばさん、こんにちはっ!」

「おばさん、卒業証書、見てっ!」

それぞれ言いながら喫茶店に入る。

「えっ?!」

「わっ!っなに?!」

「おっ?」

カラフルなテープに、沢山の拍手。何事かと、あたし達はぽかんとお店の入り口で立ち尽くしていた。

「美空、ありさちゃん、瀬田くん。お帰りなさい。ここに座って?」

鳴りやまない拍手のなか、訳も分からずお店の真ん中のテーブル席に促された。

周囲を見渡すと、近所のおばさんやおじさんや、常連さんや……!

見覚えのある、日頃からお世話になっている人々があたし達を囲んでいた。
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