鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「みんな、卒業おめでとうっ!」

「やっぱり三人で帰ってなぁ!」

「良かったわね、美空ちゃん!
中学で素敵な親友と素敵な彼氏ができて、一緒に仲良く卒業迎えられて!」

みんな、口々に言いながらあたし達の卒業を祝ってくれた。彼氏ってワードが気になったけど、それどころじゃない。

どうやらお母さんが声をかけてくれたようだった。

ふふっ嬉しい……!

「皆さん、ありがとうございます!
とっても嬉しいっ!」

立ち上がってお礼を言い、頭を下げると拍手の音がますます大きくなった。

「はぁい、娘達のために、皆さまありがとうございます!
これから皆さまもどうぞゆっくりなさって、こちらはサービスですので、どうぞ」

あたしが座り直したタイミングで、お母さんが席にケーキを持ってきて、他の席にも配り始めた。
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