旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
 散々手こずっているので、絶対に成功させたい。


「七瀬は、俺には珍しく苦手なタイプじゃないし、共同生活もうまくできるような気がするんだ」


 たしかに私は彼に遠慮なく意見をぶつけるところがあるけれど、それは仕事だからだ。

 元カレの前では従順な恋人だった。
 それで調子に乗った彼に裏切られて、窮地に立たされているわけで……。


「私、私生活ではそんなに意見をズバズバ口にするタイプじゃないですよ?」

「それは木内との関係について言っているのか? 結婚を意識してたから、いろいろ我慢してたって話してたじゃないか」


 あぁ、酔ってそんな胸の内まで明かしちゃったのか。


 理想と完全に合致する人なんてまずいないと考えていた私は、多少理不尽だと思うことも呑み込んでしまうようなところがあった。

 二十代も後半に差しかかると、周囲は結婚ラッシュ。
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