Phobiagift
『未来お姉ちゃん…』


私は新聞を投げて過呼吸になりながらも耳を塞ぎ蹲っていた。


無理やり頭を落ち着かせてさっきの記憶をまとめてみる。


断片的にだが思い出してしまった記憶はこの小さな体に比例しないくらい大きなものに思えた。


それと逃げ出した時脳裏で流れた映像もさっきの記憶とともに思い出した。


名前はモヤモヤと聞き取れなかったがあれは確かに未来お姉ちゃんのことだ。


私は記憶の中でもさっきはでも逃げたいという願望があった。


あの後の記憶は戻っていない。


この記憶の戻るきっかっけになった新聞は水で滲んでいて読めない。


でも私は思った。


ここでは自分の私利私欲のために動く大人が多い。


だから、反抗するならタイミングを見計らわなきゃ。


ここで生き残るために。
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