Phobiagift
この楽園に来て4年たち
私はこの生活に馴染んでいた。
この4年でこの"楽園"のことについてだいぶよくわかってきた。
まずひとつが、ここに居る子供たちには全員ここに来る前の記憶が無いこと記憶がない事。
次に大人たちには何らかの力がある事。
最後に、皆が何らかの対象に強い恐怖を抱いていること。
である。
私はここで浮かない為に断片的に記憶が戻っている事は伏せている。
あと、何故かエルにすごく懐かれた。
4年前までは私より低かったエルの身長は今では同じ位にまでなっていて時間の流れを感じる…
そんなことを一人で考えていると少女が話しかけてきた。
『ねー!!アル!!レイ君知らない?』
満面の笑みを浮かべていている
『ザクちゃん、レイなら広間で今日のイベントの準備してると思うよ。』
ザクは私より3歳年上で今は14歳なのだがどうやら心が子供のまま成長してしまったらしく、精神推定年齢が7歳何だとか。
『アルもやっぱりそう思う!ありがとう!!じゃあね〜♪』
大きく手を振ってスキップで広間に向かうザクの髪は半分焦げている部分がある。
それは多分過去に関係している見たいでそれを物語るように彼女の恐怖対象は雷だった。
私はザクに手を振り返す
ザクの背中が見えなくなってから私は図書館へ向かいエルとあの人を待った。
図書館は唯一この楽園から外のものを知ることが出来る(童話とかそういうものしかないけど)
『わっ!!アルーびっくりした〜?』
後からいきなりリンネさん(あの人)が驚かしてくる。
『キャービックリビックリ。』
いつもどうり棒読みで返す。
『ね〜アルもっと感情込めてよ〜悲しくなるじゃ〜んよしもう1回やるぞ!!わっ!!』
『…キャッ!!ビックリした〜!!ねぇいきなり後ろから出てこないで!!』
なんの茶番だろ〜
リンネさんは拍手をする。
『やっぱ面白いね〜アルは!!ねぇエルなんかとじゃなくて私とペアにならない?』
『リンネお姉ちゃんアルは僕のペア!!ずっと〜!!ねえアル!』
いきなり本棚の影からエルが出てくる…
『うん、そうだね。リンネさんは早くほかのペア作ったら?』
『も〜つれなーい。』
楽園にはペア制度がある。
部屋が一緒になりリングが支給されたり、あと楽園側が週一で出す課題を一緒に取り組んだり出来る。
だが、どっちかが悪さをしたら連帯責任を取らされる。
それ以外は周りと余り大差はない。