Phobiagift
『……イヤッ』

脳裏に流れる惨い映像から目を背けるようにして立ち上がる。


[ゴンッ]


『痛いですね…』


気がつくと背後におでこを押さえながら大人の人…セイさんが私を見下ろしていた。


私は驚き逃げようと、セイさんの方に向けた身体を引ずるようにして後ずさろうとする。

しかし、そんな抵抗も虚しくセイさんは当然のように私の事を抱き上げる。


『"アル"さん夜にこの区域は危険です。エル君も心配していましたよ。』


そういうと、転んで赤い液体が流れ出ている所を手で覆い隠す。

痛みが急激に引いていく!?


そう感じてセイさんが手を離した場所を見ると液体の後はあるものの生々しかった傷の後が綺麗に無くなっていた。


『……え!?』


そう驚いていると今度は膝の近くにあった手が私の目の近くまで来る。

強い睡魔に襲われ私はそのまま眠りについた。






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