Phobiagift
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隣の部屋で誰かが殴りつけられる音がする。


扉の隙間から覗き込むと歪んだ欲望をチラつかせた目で未来お姉ちゃんを大人が殴っていた。


[躾です。貴女方は私に従っていればいい。騒がず、私を咎めず、従順にしてればいい]


未来お姉ちゃんの頬やスカートの捲れた部分の肌には白い肌には似合わない青紫色の痣があった。


私は今まで見た事のないこんな未来お姉ちゃんの姿に動揺した。


そしてあろう事か近くに落ちていたお守りを蹴って、鈴の音を鳴らしてしまった。


大人のあの汚く恐ろしい視線が今度は私のいる所に向く。

大人は笑顔を作る


[覗き見なんてダメでしょう。こんなことするのは今日連れてきた子でしょうか。怒らないから出てきなさい。]


大人は笑顔を崩さず手招きする。


警戒しながらも部屋に入ると無言を突き通していた未来お姉ちゃんはほんの少し声をあげた。

[なんでこんな所に………]


[さあ早くこちらへ来なさい。そうだ!お菓子をあげよう!]

大人は近くの棚からチョコやら飴やらスナックやらを近くの机に出し手招きする。


私は少しづつ近ずく


[いい子ですね名前はなんて言うんですか。]

[おじさん、知らない人に名前教えちゃ駄目っt]


お腹の当たりに酷い激痛が走る。

私は後ろに尻もちを着き蹲った。

[○○ちゃん…!!…ご、ごめんなさい…ご…ご主人様…]

未来お姉ちゃんは大人に頭を下げている

[未来…命令だ、こいつに教えこんでおけここのルールを。]

大人は部屋を去っていく


意識が遠のいていく


[ごめんね…]

彼女はお下げを揺らしながら目に涙を浮かべて泣いていた。
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