御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
「西園寺の方は、遥の実力を知っている者ばかりで重役達は問題ないが、翔くんには努力してもらう必要がある」

「もちろんです」

「同棲は認めるが、何事にもタイミングは必要だ。結婚を公に出来るまで、ふたりの関係はバレないように生活してくれ」

「お祖父様!どうして?」

「翔くんと遥にとって、今はそれが最善だと判断した」

翔には理解できるし、有難い申し出だ。
いきなり西園寺の跡取りと紹介されるだけの実力は自分にはないとわかっている。

「ありがとうございます。1日でも早く、発表出来るように努力します」

「ああ。期待しているぞ」

「はい」

遥は、男同士がわかり合っているようなので、口を挟むことを止めた。
翔も祖父も遥の事を考えてくれている事は充分伝わった。

年明けから残りの3ヶ月、翔と共に神宮寺製薬をしっかり勤め上げようと心に誓った。

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