御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
「翔、週刊誌見たぞ。まさかあの日にふたりが撮られるなんてな。ある意味運命だな」

「遥だって私達はすぐにわかるけど、地味メガネしか知らない人は気づかないよね」

「社内を歩いてるだけで、兄さん達の事を聞かれる俺はいい迷惑だよ」

「しょうが無いだろ?本当の事は言えないし」

「私は、バレてないから全く被害がないけど、翼くんゴメンね!」

最近、この5人で集まることが多い。
翼は、レジデンスの翔の部屋に引っ越してきたけれど自炊しないので週の半分以上、遥のご飯を食べに来る。最初は、翔も文句を言っていたが、翼が自分の仕事を一生懸命引き継いでくれているので、文句を言えない。

夕輝と悠里も、ベリーヒルズビレッジから近いところにある夕輝の実家の二世帯住宅に住み始めた。

一緒の所に帰るのとレジデンスから徒歩圏内の為、ついつい遥達の所に寄ってしまうのだ。

きっと、翔が西園寺に入ると当分こんな余裕はなくなるだろう。

世間では、御曹司のスキャンダルで騒がれているが、本人達は今が一番平和なのだった。

< 116 / 154 >

この作品をシェア

pagetop