御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
翼が秘書室に異動になり、社員には知られず副社長の近くで仕事を学んで1ヶ月。

ある程度、把握して来たため残り2ヶ月は、実質翼が仕事をし、翔がサポートする事になった。

「もう、毎日クタクタだよ。兄さん、めちゃめちゃ仕事してたんだな」

「やっとわかったか?俺が帰って来た頃、お前俺に暇なの?って言ってたぞ」

「確かに。だって、残業してなかったから」

「あ~、まぁ遥のお陰だな」

「確かに、これだけの仕事が期日に終わって、大して残業しなくていいのは、遥のお陰だよね。俺、兄さんも遥もいなくなったらどうしたらいいの?」嘆く翼。

「大丈夫だ。遥が今、遥の後を任せられる人材を育ててくれてる。遥と俺がいなくなる時には、完璧になってるそうだ」

「遥が言うなら大丈夫だね。それにしても、遥の並外れた能力に毎日驚くばかりだ」

「翼、俺もだよ。西園寺カンパニーが何年か前から業績を伸ばしてるのは、間違いなく遥の功績。他にも沢山の仕事をしてる」

「兄さんこそ、春から大丈夫?」

「不安だらけだよ。だけど、やるしかないな」

「俺も頑張るわ」

「ああ。頼む」こうして、兄弟の絆もより一層深まっている。



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