御曹司の恋の行方～地味な派遣秘書はご令嬢～

それからの日々は、本当に忙しかった。

神宮寺製薬では、遥のサポートで残業なく熟していた仕事も、遥のサポートがあっても残業の日々。

月に2日ほど休めたらいい方だ。

平日は、ほぼレジデンスまで帰ることなく、ふたりでホテルに寝泊まりしている。

世界各国へ飛ぶことも多く、最初の1年は月に数日日本に帰ってすぐに飛び立つ。その殆どに公造も同行している。西園寺グループともなれば、移動はプライベートジェットだが、それでも疲れる翔からしたら、公造の体力と精神力は最早バケモノだと思うのだった。

付き合い始めたばかりのカップルの甘々な時間もままならない日々を過ごしているが、ふたりの絆と信頼関係は更に深まり、忙しいからこそ思いやる気持ちが強く、合間に凝縮した甘い時間を過ごし、順調な恋人同士と言える。


それでも、何とか３ヶ月に一度位は時間を作り、夕輝悠里カップルと翼とは、集まってはいるのだ。