御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
金曜日の終業間近、受付より遥の内線が鳴る。
「はい。西園です」
「受付の藤田です」
「お疲れ様です」
「副社長にお客様です。アポはないそうです」
「どちら様ですか?」
「それが…。西園寺グループの西園寺公造様です」
「は?!」珍しい遥の反応に、秘書室の面々は、遥に視線を向ける。
室長も、
「どうしました?」と声を掛ける。
受付には応接室まで案内してもらう様に伝え通話を切る。
「室長、アポなしで副社長にお客様なのですが…」
室長は、いつもの遥と違う様子に嫌な予感しかしない。
「どちら様ですか?」
「西園寺グループの西園寺公造様です」
「…。何で?あっ。この前、社長が西園寺様とお会いした時に、息子が帰国したとお話したそうで、一度顔を見に行くとおっしゃってたそうです…」
そして、慌て出す秘書室。
祖父の思いつきの行動に振り回されるのには慣れているが、皆に申し訳なく思うのだった。
内心溜息しかない。副社長に会いに来るのは口実で、遥の様子を見に来たに違いない。
今週は、レジデンスの自宅に一度も帰っていないので、祖父とも顔を合わせていないのだ。
「はい。西園です」
「受付の藤田です」
「お疲れ様です」
「副社長にお客様です。アポはないそうです」
「どちら様ですか?」
「それが…。西園寺グループの西園寺公造様です」
「は?!」珍しい遥の反応に、秘書室の面々は、遥に視線を向ける。
室長も、
「どうしました?」と声を掛ける。
受付には応接室まで案内してもらう様に伝え通話を切る。
「室長、アポなしで副社長にお客様なのですが…」
室長は、いつもの遥と違う様子に嫌な予感しかしない。
「どちら様ですか?」
「西園寺グループの西園寺公造様です」
「…。何で?あっ。この前、社長が西園寺様とお会いした時に、息子が帰国したとお話したそうで、一度顔を見に行くとおっしゃってたそうです…」
そして、慌て出す秘書室。
祖父の思いつきの行動に振り回されるのには慣れているが、皆に申し訳なく思うのだった。
内心溜息しかない。副社長に会いに来るのは口実で、遥の様子を見に来たに違いない。
今週は、レジデンスの自宅に一度も帰っていないので、祖父とも顔を合わせていないのだ。