御曹司の恋の行方～地味な派遣秘書はご令嬢～

副社長にはもちろん社長にも連絡を入れ、室長と遥も一緒に応接室へ向かう。

「室長、飲み物はどうされますか？」

「コーヒーをお願いします」

「わかりました」

室長は、遥が西園寺カンパニーの社長であることは知っているが、まさか公造の孫だとは知るはずもない。公造の孫だと知っているのは、悠里と西園寺グループの重役の連中だけだ。

遥が応接室に入ると、公造の前に社長と副社長が並んで座り、室長はその後ろに立っている。

「失礼致します」とコーヒーを出していく。

何故かコーヒーを出している間、会話が止まり皆の視線が遥へ。
遥は、居心地が悪い。

このまま退出しようかと室長に目を向けると視線が留まるように言っている。

取りあえず、扉の傍で様子を見ることにする。