御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
「そう言えば、西園寺カンパニーで働いてるんだっけ?」

「まあ。はい」何となく歯切れの悪い返事。

「悠里、西園遥さんって知ってる?」

「ゴホゴホ」とむせる悠里。

「悠里大丈夫?」

「ええ。で、西園さん?知らないわ。その西園さんがどうしたの?」

「西園寺カンパニーから翔の秘書に派遣された子なんだけど、翔が気になるらしい」

「……」悠里はマジか!と内心で驚く。

「悠里大丈夫?何かさっきから可笑しいぞ」

「エエッ!何もないよ。神宮寺さんが気になる人ってどんな人かと思って。モテそうだし」

「翔はモテるな。昔は遊んでたけど、今は仕事を頑張ってるんだよな」

「夕輝、他人事(ひとごと)だと思って…お前の過去も暴露するぞ」

「イヤイヤ。俺関係ないだろ!西園さんの話だろ」

「西園さん、いつもの地味なスーツに髪をひとつに結んでメガネを掛けて目立たないんだけど、何かオーラを感じるんだよね。仕事は完璧だし、何か秘密があるんじゃないかと最近思ってる」

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