御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
翔は、お嬢様騒動を愚痴りたくて夕輝を呼び出す。

いつものバーのいつもの席。

夕輝は、親友の何か苛立った背中に溜息をつく。今度は何があったのか…

「お待たせ」

「ああ。夕輝お疲れ」

「今日は何か苛立ちを感じるが?」

「聞いてくれよ!」と昨日から今日にかけての出来事を報告する。

「それは、災難だったな」

「災難なんてもんじゃないぞ。本当に最悪だ」

「そんなに、ブサイクなのか?」

「顔は覚えてない。とにかく派手で化粧が濃くて、自分中心に世界が回ってると思ってるんじゃないか?」

「ちょっと見てみたい気もするな」

「はぁ~もう見たくない」

「にしても、遥ちゃんは冷静だなぁ」

「俺の告白は、この騒ぎで忘れさられてそうだ」

「告白??」

「ああ。昨日会食のあと一杯だけ付き合ってって、ここに連れて来たんだけど、本当に一杯で帰ろうとしたから焦って思わず」

「プハッ」噴き出す夕輝。

「笑うなよ。必死なんだから」

「来る者拒まず去る者追わずのお前がね~」

「ウルサイ」

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