御曹司の恋の行方～地味な派遣秘書はご令嬢～

「お父様にも、勝手な事を言ってもらっては困るとお伝えしました」

「お父様からは、会ったばかりだから落ち着きなさいとしか聞いてません。だから、今日まで待っていたんです！」

どうやら、娘にハッキリ注意出来ない院長は、伝えていないらしい。時間稼ぎをしただけの様だ。

「今日、ここに来られている事をお父様は御存知ですか？」

「招待状が来ているか聞いたら、ないと言っていたので、お父様が呼ばれていないのは可笑しいと思って直接来ました」

呆れてこれ以上言葉が出ない。

そして、派手な品のないパーティードレスの紀子は声も大きく、悪目立ちしている。


周りにも、人だかりが出来てしまって、見られている。

紀子は全く気にする様子もなく、皆に注目されて気分を良くしている。

ここまで勘違いが過ぎると、ある意味尊敬する。