御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
先に会場に入った西園寺社長と神宮寺夫妻と長谷夫妻。

「西園寺社長、本日はお招きいただきましてありがとうございます」と両親達は、改めて挨拶する。

「いやぁ。わしのワガママで皆さんに迷惑を掛けたな。孫が可愛くて。最近、島崎の娘がコソコソしておる報告が入ってきてな。遥に何かある前にお灸をすえてやろうと思ってな」

4人は思う。西園寺社長には、何でも筒抜けで敵に回したら大変な事になると。

「それにしても、遥さんは優秀で本当に助かっております。息子が副社長に就く事に寄って、もう少し反発なり不満なりが出てくる覚悟をしていたのですが、遥さんのサポートが完璧で、副社長として問題なく出来ています」

「そうかそうか」優しい顔で微笑む公造。

その様子を見ていた人達は、公造の優しい微笑みに息をのむ。普段は、笑っていても威圧感があるのだ。

「悠里ちゃんも、長谷さんの息子さんと仲良くしている様で何よりだ」

「「悠里ちゃん?!」」

「何か変かな?悠里ちゃんは、遥が小さい頃から仲良くしてくれていてな。本当に心優しい良い子じゃ。わしの中では孫のような存在だよ。長谷さん、ご子息は見る目があるな」

「ありがとうございます」夕輝の両親も悠里を気に入っている。公造から褒められる悠里に言うことはない。
< 83 / 154 >

この作品をシェア

pagetop