御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
どれ位抱きしめあっていただろう。いつまでもこのままいたいが、まだ付き合ってもいない。

「遥、いつまでもそのままでいたいが、今日はちゃんと話がしたい。聞いてくれるか?」

「はい」

「ソファに座ってて。コーヒー入れてくるよ」

「私が」

「コーヒー位入れれるから。それより、仕事はもう終わったんだ。名前もだけど、敬語も禁止な!」

「エエッ。わかりま…あっ、わかった」

「良く出来ました」

「もう。子供扱いしないで」

「はいはい」

抱きしめあってお互いの心の距離も少し縮まったのか、副社長と秘書の関係から少し近づいている。

「お待たせ。どうぞ」

「翔さん、ありがとう」と微笑む。

自然に名前を呼んでくれた嬉しさと、遥の可愛い微笑みに、翔自身も自然と笑顔になっている。

クールなイメージの翔と遥。

ふたりは、似ているのかもしれない。


< 95 / 154 >

この作品をシェア

pagetop