御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
「遥、俺は遥の事が好きだ。女性に対してこんな気持ちになるのは初めてだ。今までは、適当な付き合いをしてきた。今になって後悔するよ。遥に出会って、自分がこんな気持ちになれるんだと初めて知った。遥の事が知りたいし、俺の事も知ってもらいたい。遥に癒されたいし、俺も遥を癒したい」

「翔さん、ありがとう。私が恋愛に縁がなかったのは、私が中学生になってすぐの頃、両親が海外出張に行って事故に遭って亡くなって、今日まで色々な物を知らず知らずのうちに背負っていたからかもしれない。お祖父様は、ずっと好きなことをしていいと言ってくれてたの。けど、近くでずっとお祖父様の姿を見てきて、両親の代わりに私が支えなきゃって、ひとりで空回りしていたのかもしれない」

「そんな事はない。遥の仕事ぶりを見ていると、実力も然る事ながら努力してきたんだと皆わかっているよ」

「必死だったから。学生生活も恋愛より勉強をしていて、今思えば勿体ない青春時代だったのかも。でもね、悠里がずっと支えてくれて、楽しい思い出は沢山あるの」

「遥が、俺に出会うまで彼氏がいなかった奇跡に、俺は感謝するよ」

「でも、何もかも初心者よ?」

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