御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
「そんな嬉しいことはない」

「キスもした事ないのよ?呆れない?」

「呆れるわけない。誰かとした事あるって言われた方がショックだ。俺も今、初めて知ったがかなり嫉妬深いかもしれない。他の男達が、遥のドレス姿をチラチラ見てくるのでさえ、イラッとした」

「誰も見てないわよ」

「全く無自覚の遥が心配で仕方ない。遥、ずっと俺の傍に居てくれ。もう、好きじゃ足りない。遥愛してる」

「翔さん、私も…」

「私も?何?」

「恥ずかしい…好きです」

「遥!」翔は遥を抱きしめる。

今度は、遥も翔の背中にそっと手をまわし抱きしめ返す。

「もう、離れたくない。今日から一緒に暮らそう」

「エエッ!」余りの急展開に驚く。

「遥、俺は真剣だ。すぐにでも結婚したい位だが、お互い背負う物がある。ひとつずつ解決していって、誰もに認められる様に頑張ろう」

「…はい」

翔の本気の前に、初心者の遥は為す術もなく翔の思い通りにカップルが誕生した瞬間だ。


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