この先に日常は待っているのか
帰り支度を済ませた彩は、駐輪場へ向かい、中達と別れた。
「ばいばーい!皆!また明日ね!」
「ばいばいおだぎ〜。」
彩は大和達や中達といる時間が大好きで、毎回皆と別れる時は名残惜しく感じてしまう。ずっとこのまま高校生でいられたらいいのに、とも思えてしまうくらいである。その時だった。
タッタッタッ ズシッ
突然、彩は背中に重みを感じた。後ろを振り向くと、
「お待たせ〜!」
走って来た颯泰がリュックにしがみ付いていた。
「ちょ、重いよ。」
「だって彩が寂しそうな顔してたんだもん!」
「してません〜!」
後ろから陽翔達が歩いてきた。
「待たせたな。」
「陽翔が疲れたって渋ってたんだよ。」
「大和も哲樹もよくあんな暑いのに耐えられるよな〜、俺もう無理だよ〜。」
「あははは、陽翔それ毎回言ってるよね。」
こうして合流した彩たちは学校を出た。
明日からまた授業の日々が始まるのは気が重いが、また皆に会える頻度が多くなることに嬉しくなる彩だった。
しばらくして哲樹達と別れ、彩は大和と並んで帰る。
「明日は今日より遅く行くだろ?」
「流石に…。いつもと同じ時間に待ち合わせで!」
「ちゃんと起きろよ?じゃなきゃ置いてく。」
「頑張りまーす。」
なんて言いながら2人で笑い合う。
お互いの家の前に着くと、
「じゃあ、また明日な。」
「暇になったらトーク送るかもー!」
「おう。」
そんな会話をして、2人は各々家の中に入っていった。