この先に日常は待っているのか

そして5人は、3階にある2-3と書かれた教室に入った。
室内には、椅子と机が42席用意されており、横に6列並べられている。

「あ!黒板に席順が貼られてる!」

そう言いながら一生懸命自分の位置を確認する颯泰。

こうして、それぞれが自分の位置を探して席についた。


彩の席は真ん中の列の後ろから2番目。左には大和、前に2人挟んで颯泰と哲樹が並ぶ。大和の左に1人挟んで窓際に陽翔がいる。

「席近場だし、休み時間は集まりやすいな!お前らと同じクラスだし、席は窓際で授業中は外見れるし、本当高2最高だわ!」

「僕も楽しみだな〜!」


そうこうしているうちに、周りの席は埋まり始め、新しいクラスへの緊張と期待で教室内は包まれていた。


「おはよ!彩!」

声をかけてきたのは、彩が1年の時に一緒にいた小谷 春菜〈おだに はるな〉、通称ダニーがいた。

「おはよう!ダニー!席、私の後ろ!?」

「そうだよ〜!今年もよろしくね!」


「2人ともおはよう!!」

続いてやってきたのは、ダニーと同じく仲が良い鶴田 麻里香〈つるた まりか〉と手柴 梨々佳〈てしば りりか〉だった。

「つーちゃん、りりかも同じクラス!?やった!」

自分の右隣に座る麻里香、春菜の隣に座る梨々佳を見て、彩は1年の時の友人と一緒にいられる喜びを噛み締めていた。


そんな彩を見て、大和が微笑んでいたのは誰も見ていないだろう。

< 4 / 25 >

この作品をシェア

pagetop