凛と相沢先生
ウエイターの方が部屋から出ると、
着ていたスーツのジャケットのポケットからカドキーを出した。
「明日休みだろ?」
「うん」
「俺、午後からだからさ」
「それなら、先に言ってくれれば、着替え持って来れたのにー」
そう、言った私に対して唯斗君は、笑った。
「あー、でも、身構えて余計緊張させたら嫌だなぁって思ったからさ」
私は、その言葉を聞き変に意識してしまい、下を向いた。
「ほら、意識しちゃったでしょ?
まぁ、今日は、楽しもう?
俺これから学会の準備で忙しくなるからさ、なかなか一緒にご飯食べれなくなるし」
そう明るく唯斗君は、言った。
「えっ、そうなんだ...」
「でも、何かあったら連絡しろよ?」
「えっ、あっ、うん、分かった」
私は、そう返事をした。
そう返事をしたのに...