凛と相沢先生
食べていた梅おにぎりがなくなるころ、なぜか、唯斗君が診察室から出てきた。

ちらっと目があい、
咄嗟に会釈をした。
が、かえされることなく、そのまま素通りされ、何処かに行ってしまった。

携帯を見ると時刻は、12時10分を過ぎていた。
私の計算だと1人10分だから、
私が呼ばれるのは...50分後か...

あぁーだるっ!

そう心の中で言っていると唯斗君が帰って来てまた診察室に入って行った。

「1074番の方、お入りください」
看護師さんがそう言った。

あれ、あと、2人になってる。
そう思いながら、私は、目を瞑り呼ばれるのを待った。
そして、とうとう
「1077番の方、お入りください」
< 3 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop